里親家庭でのCSP導入

CSP幼児版管理者・里親 Mさん

1. 自己紹介をお願いします。

家族構成は夫と私、長男(高校3年)、里子3人(高校生Aさん、中学生Bさん、小学生Cさん)の6人家族です。そのほかに県外在住の実子が3名(長女・社会人、次女・大学3年、次男・高校1年)がいて、長期休業の時に帰省します。 4年前の4月に当時小学生のBさんと小学生のCさんの兄妹をお預かりしました。1年前の1月に当時中学生のAさんをお預かりしました。里親になって4年8か月です。お預かりしている子どもは現在一緒に生活している3名のみです。

2. 里親になったきっかけを教えてください。

2011年、東日本大震災で友人が子どもを残し津波で亡くなり、同じタイミングで長女が寮生活を始めるために家を離れることになりました。私たちにできる復興のお手伝いとして居住スペースに余裕ができることから、以前から夫婦で迷っていた里親登録をすることにしました。

3. いつCSP の取り組みをはじめましたか?

実際に里子をお預かりして1年2か月が経った時です。CSPに取り組みはじめて3年6か月になります。

4. 学んだきっかけを教えてください。

2015年6月に里親研修で初級指導者養成講座を受講したのがきっかけです。

5. CSPを学ぶ前の様子を教えてください。

現在小学生Cさんと中学生Bさんの兄妹が預かる時に里親をスタートしました。里子に対して、愛情をかければ何とかなると思っていたので、おやつや食事、入浴など日常生活全般を里子優先で関わった結果、実子が拗ねてしまい、家庭内で実子vs里子のような構図が生まれてしまいました。

里子に関して特に困っていたことは、食事に関することです。下の女の子が偏食と遅食いでした。食べられないものが多く、少しでも嫌いなものが出されたら不機嫌になり、一口だけ食べるように促すとその一口を延々と噛み続け毎日食事が1時間以上かかりました。上の男の子は過食と早食いで、口に詰め込めるだけ詰め込んで5分以内で食事を終えていました。おかわりをたくさん準備しても全て食べて、それがなくなると物足りなさそうにしていました。

里子に精一杯愛情をかけているつもりなのに気になる行動が全く改善されず、次第に里子との関わりのほとんどが注意や叱ることになっていました。

6. CSPを学ぶ前と後で、どのような変化がありましたか?

CSPを学ぶ前は、子どもの出来ていないところばかりに焦点を当ていつも正してばかりいました。そのため子どもとの関係が悪く、正しても行動の改善が見られず、里親として行き詰まりと先行きの不安を感じていました。

CSPを学んで、一番の変化は子どもとの関係が良くなったことです。育みの行動を土台としながら、して欲しい行動を前もって教え、できたらほめること。できなくてもしようとしたところからほめることで、子どもとの信頼関係が深まりました。

予防教育で偏食と遅食いや過食と早食いも早い段階で改善が見られました。学ぶ前は朝の登校時間や帰宅後の宿題、明日の準備など時間通りに進まず、日課をこなすことにとても苦労していました。今はとてもスムーズに日課が進み、それぞれがやりたいことに時間を使えるようになりました。お手伝いも積極的にしてくれるようになりました。

現在高校生のAさんを中学生でお預かりした時、里親としてどのように関わればよいかとても難しく感じました。たとえ期待する反応が得られなくても、私自身のすべきことが明確だったので、指導者の助言を頂きながら何とか前向きに取り組むことができました。まだ2年の関わりですが、思春期からでも子どもの価値観を大きく変えることができること、社会に適応する方法を子ども自身が学ぶことができたことがコモンセンスペアレンティングの凄さだと思います。

このプログラムを知らなければ私自身が子どもとどのように関わればよいかわかりませんでした。今は毎日の生活が楽しく、様々な問題にぶつかっても学んだスキルを用い前向きに解決できるようになりました。一時はとても険悪な雰囲気が流れた実子と里子も今ではお互いに尊重しあえるようになりました。

7. CSPを家庭内でどのように活用していますか?具体例をいくつか紹介してください。

朝、自分で時間までに起床したら1ポイント。貯まったら、週末に門限延長や就寝時間延長、DVDレンタルに使えます。洗濯物をたたんだら1ポイント、7ポイント貯まったらおやつに100円相当のお菓子を買う等良い結果を子どもと話し合って決めています。

また、普段から会話する時間を増やしたり、なぜそれをすると良いのかを伝えるために得する理由を話したりしています。

何か問題が起こった時は、予防教育と練習をするようにしています。

● 頑張り表

8. お子さんからの反応はどうですか?

  • ポイントや良い結果をもらえると嬉しい。(Cさん)
  • コモンセンスの練習が楽しい。良い結果がもらえると嬉しい。(Bさん)
  • 9. 今後の方針(やってみたいこと)についてお聞かせください

    子どもたちが段々と巣立っていくので、温かな実家であると共に、また新しい里子たちを受け入れて様々な人の集う幸せな家庭であり続けたい。


    里子さんへの質問


    里親家庭での生活はどうですか?

    • お出かけや遊び、料理をしている時は楽しい。1人の時はひまです。(Cさん)
    • 遊ぶ時、お出かけ、テレビを見ている時楽しい。料理や掃除など色々なことを学べる。(Bさん)
    • 楽しい時(寝ている時、みんなで遊んでいる時、良い結果)もそうでない時(することがない時)もある。(Aさん)

    どのような社会スキルを学んでいますか?

    • 指示に従う、許しを得る、助けを求める、いいえを受け入れるなど。(Cさん)
    • 許可を得る。からかいに対応をする。落ち着く。(Bさん)
    • 指示に従う。他人への配慮。(挨拶をする、お礼を言うなど)(Aさん)

    社会スキルを学んで、良かったことは何ですか?

    • 指示に従ってお手伝いをしたり、洗濯を忘れていたりなくしものをした時に相談して助けを求めたりすると自分の時間(まんが、宿題、休けい)が増える。(Cさん)
    • 信頼されてできること(タブレットが使える)が増える。(Bさん)
    • 信頼されてできること(送迎、Wi-Fiの使用)が増える。(Aさん)

    将来の夢は何ですか?

    • 美容師、コモンセンスの指導者、看護師(Cさん)
    • まだ決まっていません(Bさん、Aさん)